横浜でイタリア料理とパンの教室ラクッチーナサッチを主催してます。
料理家の藤野幸子です。
パン作りを始めると、
「しっかりこねなくては」
「レシピの時間どおりに発酵させなくては」
「きれいな形にしなくては」
と、つい頑張ってしまいませんか?

私もパンを焼き始めた頃は、そうでした。
でも、パンを作り、教えることを32年続けてきて、今はむしろ反対のことを思っています。
パン作りは、もっと気楽でいい。
やることを増やすより、
「これは、やらなくても大丈夫」とわかること。
それだけでパン作りはずっと楽になり、毎日の暮らしの中でも続けやすくなります。
今日は、私がパン作りで「やらなくていい」と思っていることを5つご紹介します。
① 一生懸命こねなくていい
パンは、しっかりこねないと膨らまない。
そう思っている方も多いと思います。
でも、必ずしも一生懸命こね続ける必要はありません。
材料を混ぜたら、少し休ませる。
そして生地を折りたたむ。
時間を味方につけることで、生地は少しずつつながっていきます。
私は普段から「こねないパン」をよく焼きます。
力いっぱいこねるのではなく、
混ぜる、休ませる、折りたたむ。
パン作りは、これくらい気楽でもいいのです。

② 大きな気泡にこだわらなくていい
ハード系のパンを切ったとき、大きな気泡が入っていると嬉しくなります。
でも、
大きな気泡=おいしいパン
とは限りません。
気泡が小さくても、粉の風味が感じられて、香りがよく、食感がおいしいパンはたくさんあります。
私はパンを見るとき、気泡の大きさだけでは判断しません。
香り、味、食感。
そのバランスのほうを大切にしています。
SNSでは大きな気泡が目を引きますが、家で食べるパンなら、もっと自由でいいと思っています。

③ レシピの時間どおりに発酵させなくていい
これはレッスンでもよくお話しすることです。
パンの発酵は、毎回同じではありません。
夏と冬でも違いますし、その日の室温、生地の温度などによっても変わります。
ですから、
「レシピに60分と書いてあるから、60分」
ではなく、
時間より、生地の状態を見る。
ふっくらしてきたかな。
どのくらい膨らんだかな。
気泡はどうかな。
時計ではなく、生地を見る習慣をつける。
これがパン作りの近道だと思っています。

④ 完璧な形にしなくていい
家で作るパンです。
少しくらい形がいびつでも、大きさが揃っていなくても大丈夫。
もちろん、基本の成形を覚えることは大切です。
でも、きれいにしようとして必要以上に生地を触るより、
やさしくまとめるくらいで十分。
焼き上がってみると、少し不揃いなパンもなかなかかわいいものです。
お店のように完璧な形でなくても、家のパンには家のパンのおいしさがあります。

⑤ 難しいことを増やさなくていい
パン作りを続けていると、
もっと特別な粉を使ったほうがいいのかな。
もっと道具を揃えたほうがいいのかな。
もっと難しい製法を覚えたほうがいいのかな。
と思うことがあります。
もちろん、それを楽しむのもパン作りの面白さです。
でも、毎日のパンなら、難しいことを増やさなくても大丈夫。
32年パンを作り続けてきて、今の私が思うのは、
パン作りは足し算ではなく、引き算。
材料も工程も必要以上に増やさない。
シンプルに作るからこそ、粉の味や発酵の香りを感じられることもあります。
パン作りは、もっと気楽でいい
長くパンを作ってきて、昔より今のほうが、私のパン作りはずっとシンプルになりました。
「こうしなくてはいけない」と思っていたことが、実はしなくても大丈夫だった。
それがわかるたびに、パン作りが楽になりました。
こねすぎなくていい。
大きな気泡でなくていい。
時間どおりでなくていい。
完璧な形でなくていい。
難しいことを増やさなくていい。
大切なのは、焼き上がったパンを食べて、
「おいしい」
と思えること。
そして、また作りたいと思えることです。
私が料理やパンをお伝えするときに大切にしているのは、
頑張らなくても、おいしくできること。
シンプルだから、おいしいこと。
毎日の暮らしの中で無理なく作れて、食卓に焼きたてのパンがある。
そんなパン作りを、これからもお伝えしていきたいと思っています。
こねないチャバタを作ってみませんか?
最後に、私が普段作っているシンプルな「こねないチャバタ」をご紹介します。
材料(4個分)
強力粉 200g
水 180ml
オリーブオイル 小さじ1
塩 4g
砂糖 4g
ドライイースト 3g
作り方
① 容器に水、オリーブオイル、ドライイースト、塩、砂糖を入れて混ぜます。
② 強力粉を加え、粉っぽさがなくなるまで混ぜます。
③ 30分置いたら、生地を外側から内側へ折りたたみます。さらに同じ作業を繰り返します。
④ 蓋をして、生地がふっくら膨らむまで発酵させます。時間だけで決めず、生地の状態を見てください。
⑤ 生地を取り出して4分割します。水分の多い生地なので、つぶさず、できるだけやさしく扱います。きれいな形にしすぎなくても大丈夫です。
⑥ 230℃に予熱したオーブンで約17分焼きます。

オーブンによって焼き上がりは変わりますので、焼き色を見ながら調整してください。
難しく考えず、まずは一度焼いてみてください。
きれいにできなくても大丈夫。
焼きたてをちぎって食べたときに、
「また作ろう」
と思っていただけたら嬉しいです。
La Cucina Sachi
藤野幸子
レッスンについて
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